そぞろ食歩記

笑ったり食べたり浸かったり

父島二日目:山歩きツアー

前日にあまりに多くのイベントがあったので、若干疲れ気味な、父島滞在二日目。

扇裏のビーチ。今日も穏やかな天気です。
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この日は山歩きツアーに参加です。

まずは、前夜来たばかりの小港海岸へ。

小港海岸で海浜植物観察
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海岸に続く森の中を歩いていると、ナイトツアーで見た巨大ヤドカリがわんさか。木のうろにたまった水たまりに集まっていました(ナイトツアーに参加しなくても、ヤドカリはいつでも見られるとφ(。_。*)カキカキ)
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父島では、枕状溶岩(ピローラバ)がいたるところで観察できます。
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海中で溶岩が固まった際にできる、円筒形の枕のようなものを束ねた形にみえる溶岩です。それが隆起したのが父島というわけ。

ここでは、ガイドさんの案内で、父島の海浜植物観察をしました。これは、ハスノハギリの実。f:id:Melonpankuma:20170704224649j:plain
この実は、波で運ばれやすいように、ホオズキのような苞葉をもっています。ひっくり返してみると、底に穴があって中は空洞でした。
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これは本土の砂浜でも見ることがある、グンバイヒルガオ。葉っぱの形が軍配に似ているから、この名前があります。f:id:Melonpankuma:20170705152454j:plain
新しく島ができると、真っ先に流れてきて定着する植物のひとつです。

黄色い花はオオハマボウ。これも海流で分布を広げる植物の代表格。
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オオハマボウは一日花なので、夕方には赤く色づいて落ちるそうです(写真を撮りやすいように、落ちていた花を葉っぱの上にのせました)。
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小笠原ではこれが山にも分布して、しかも別の種に進化しているとのこと。

 

この後、車で移動して、父島最高峰の中央山へ。

中央山で乾性低木林観察
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車を降りて10分ちょっとで山頂に到着。標高319メートルです。
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北東方向の展望。左側は兄島で、中央右寄りに浮いているのが東島。
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こちらパワースポットといわれているようです。確かに、ここにいると体がポカポカするけれど、そもそも照りつける太陽の日差しがキツくて、どこに行ってもジリジリと暑いのでした。

 中央山は父島最高峰といわれていますが、それはあくまで「登れる山」でという話。南にさらに小高い地点があるのですが、そこは尾根の扱いなんだそうです。遠くではありましたが、父島固有種のオガサワラノスリが滑空しているのが見えました。f:id:Melonpankuma:20170705162510j:plain
山頂から見た乾性低木林。コバノアカテツ-シマイスノキ群集です。

こちらが、砂浜で見たオオハマボウが山に定着し、進化を遂げたテリハマボウ(通称モクテンボク)。葉が小さくなり、葉裏もつるつるしています。
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乾性低木林の主要樹種、コバノアカテツ。葉裏や新芽が赤褐色をしています。
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下山して、初寝浦展望台へ移動。通信所跡でお弁当を食べた後、すぐ近くの竹ネイチャーアカデミーの管理する農場へ行きました。

父島の農産物

 コーヒーの木。見づらいですが、枝に緑色の実が成っています。
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ゲットウ月桃)の花。フレグランスや石鹸などに使われています。f:id:Melonpankuma:20170705162540j:plain

パッションフルーツ
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直接もぎ取って、新鮮なのを頂きました。
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単眼鏡でイワシの魚群(赤矢印)と海亀(黄色矢印)を眺めました。とても肉眼じゃ見えません。
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(黄色の矢印をつけ損ねましたが、右下隅のも亀っぽい)

 

アカポッポを探しに、サンクチュアリへ移動(移動ばかりしていますが、なにせ狭い島でのことなので、前日から同じ道を行ったり来たりしているだけなので、新しい景色が見えるわけでもなく、ちょっと飽きてきました)。

東平アカガシラカラスバトサンクチュアリ

東平地区は、父島固有種アカガシラカラスバト(通称アカポッポ)の繁殖地をノヤギやノネコの被害から守るためにフェンスで囲われていて、認定ガイドの案内でのみ入れます。
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森の入り口で種子除去装置を使います。
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外から種子を持ち込まないために靴の裏側をブラシがけし、テープ式カーペットクリーナーで靴やズボン裾をコロコロし、プラナリアの浸入を防ぐために木酢液を靴裏にスプレーします。固有種を守る仕組みが、大変勉強になります。

保護地域に入る入場者別(島民、ガイド、調査・研究、観光、行政・仕事)に石や珊瑚が用意されています。
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「観光」の丸みを帯びた石を拾って、林内(ルート2)の筒に入れます。
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森の中はまさにジャングル。
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木生シダのマルハチ。
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名前の由来は、葉柄の落ちた跡が丸に八の字(さかさまですが)のように見えるから。
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黙々と30分ほど蒸し暑いジャングルを歩き、とうとうコアゾーンへ。
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ここで行き止まり。最後までアカポッポを見ることは叶わず、引き返しました。帰りも、外来種グリーンアノール以外には、あまり動くものには出会えず、植生をメインに観察しながら歩きました。

 

最後に巽道路を末端まで行って、岩山へ。この時も行き先別に石を入れました。
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岩山からの風景。
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タコの木。
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父島に生える唯一の針葉樹シマムロ。ここに生えていたのは樹高30センチくらい。かわいらしいものです。油が多いので炊きつけに使われていたそうです。
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解散したのが16時前。一日森歩きツアーは移動につぐ移動で、案外過酷でした。前日のナイトツアーに引き続き、動物達との出会いが少なかったのも残念でした。

この日も夕陽がきれいでした。
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